こんにちは、すぎっしゅ( @sugisshu )です。
わたしは2014年から2017年の春先まで青年海外協力隊員として活動していました。
この記事を読んでくださっているかたのなかには「JICA協力隊に参加したいけどどうやって受験したら良いかわからない……。」と考えているかたも多いと思います。
2018年度に看護師職種で面接試験を受けられたかたから情報提供いただきました。
看護師職種で受験を考えている方は必見です。
順序として、協力隊応募後には書類選考・健康診断・面接試験が待ち受けています。
今日はその中でも、
面接試験(二次試験)で質問されたこと。
についてまとめてみました。
※2017年3月、無事に日本へ帰国しました。
Contents
はじめに: それまでの職業経験を問われる!
JICA海外協力隊事業は、日本国のODA(政府開発援助)の一環として行われている事業であり、その財源は国民の税金です。
ですから協力隊経験者が、後進に対して情報開示・提供することは、義務といえます。
この記事では、JICA海外協力隊参加を希望するひとに向けて、面接試験ではどんな質問が予想されるのかをまとめてみました。
青年海外協力隊に応募すると、希望した職種により様々な試験があります。
はじめは以下の書類を揃える必要があります。
応募書類
健康診断書
一次試験を通過すると、一次試験合格通知書が届きます。
二次試験では面接および口頭試問と実技試験が課せられます。
それらに合格したあとは、3ヶ月にわたる長野県駒ヶ根市での派遣前訓練が待ち受けています。
派遣前訓練が行われるのは、「長野県駒ヶ根市」と「福島県二本松」市の2ヶ所。
職種や派遣地域によって訓練所が変わるようです。
そのどれかひとつでも未到達であれば不合格、または合格していても途中で派遣打ち切りとなってしまいます。提出物の期限など基本的なところから普段の語学訓練や研修に向かう姿勢、訓練生活での立ち振る舞いなど、すべてが合否の判断材料となるようです。
今回のメイントピックスは「二次試験」とし、わたしが受けた口頭試問・実技試験の内容を紹介したいと思います。
なお、わたしは面接試験を2回受けており、その引き出しも2回分あります。
一度目は合格と不合格の間(?)ともいえる補欠合格であり、もし派遣辞退者が出た場合に繰り上げ合格となるという、いわば待機組でした。
そして二度目の応募で晴れて合格をもらえたのです。
尚、わたしが希望した職種は「理学療法士」であったため実技試験も課されましたが、その内容は実技といえ、口頭試問だけであったと記憶しています。
二次試験の会場
青年海外協力隊の二次試験はJICA指定の東京都内の会場で行われます。
※本記事は2014年受験の際の情報であり古いものになります。受験の前には必ず、最新の情報をチェックしましょう。
わたしは1回目の受験で「東京グリーンパレス」、2回目の受験で「JICA市ヶ谷」へ行きました。集まっているメンバーは、開発途上国で活動しようという気概に溢れた人材が集結しておりますから、会場内は熱気に包まれています。
口頭試問
「受験番号と名前を教えてください」
全ての受験者が入室後にまず自分の受験番号と名前を言います。一回目の受験では緊張しすぎて”受験番号”を忘れてしまい、担当面接官から教えてもらうという失態をおかすことになってしまいました。緊張癖はなかなか直らず、その後の駒ヶ根訓練所入所時の自己紹介でも足がガクブル。
「応募動機はなんですか?」
最初に必ず聞かれる質問だと思います。ほぼ全員が質問されているんじゃないかな。明確に任地への希望があったわけではないので、”自分の可能性を試したいから”と答えまし。すると面接官より「そういう受験者も多いですよ」との言葉をいただ来ました。もちろん派遣希望国へのあこがれや、抱いている夢を語っても良いと思いますよ。
「自己アピールをしてください」
これも必ず出されるお題でしょう。
一次試験に合格し面接を控える段階で、このテーマに答えられないようなひとはいないと思います。自分の思いを全力でぶつけられる場面ですから、その時のテンションに合わせてドカンと行きましょう!
私の場合は「北海道の老年病院で4年間勤務してきた。まだまだ経験は浅いが体力を武器にがんばりたい」をながーーーく話してみました。
「旅行を含め海外へ行ったことはありますか?その時どう感じましたか?」
協力隊に応募する段階である程度の海外経験があると、有利です。わたしも高校生のときに韓国へ行ったことがあり、日本とは商売感覚が違っていて驚いたと答えた。商売感覚が異質で、なかなか戸惑うことが多かったと答えました。
実は今、海外旅行の経験が少ないことを少し悔やんでいます。
海外生活がウズベキスタンのみだと他の国との比較ができないからです。
「海外へ行くにあたり今はどんな準備をしていますか?」
これは一回目の受験のときに聞かれた質問。
このときはタイの要請を希望していたためタイ語の勉強をしていますと受け答えした。
「語学の点数があまりよくありませんがなにか理由はありますか?」
たしかTOEICの得点は協力隊応募用紙に書ける最低ラインであったが、今考えるとなかなかきわどーい質問内容だと思う。
専門学校に通っていたため医学の勉強を主にしていた、高校生のときは英語が得意だった、とかなんとか答えたような……。
ちなみにこのときは補欠合格。
技術面接
「これまで業務のなかでどんな患者に理学療法を施術しましたか?」
約4年間の高齢者施設で勤務していたためその経験を詳細に説明した。
面接官はJICA専門家の理学療法士で、人物面接より業務に関する具体的な質問が多いように感じました。
「糖尿病患者が来たときにあなたならどんな運動療法をしますか?」
このときの受け答えは今でも忘れません。糖尿病患者には投薬により低血糖になる時間と高血糖になる時間があり、また適切な運動方法や運動時間も違ってくる。だがそういった運動原則を緊張のあまりすべて忘れてしまい
「疲れているときには運動しません!」
と自信満々に答えてしまった。
理学療法士あらざる回答……。
それでもいまこうしてウズベキスタンで活動している。
「関節ファシリテーションとはどんなものですか?」
わたしが4年間で身に付けた治療技術についての解説を求められた。
その場で思いつく限りの理論背景や治療効果を伝えた。
急に質問を振られたときにわかりやすく説明できるかどうか判断しているのでしょうね。
看護師の一例(2018年度)→合格したそうです!
先日わたしが面接試験のアドバイスをさせていただいた看護師のかたから、2018年7月現在の面接試験情報をいただきました!本人の了承を得まして、掲載させていただきますね。看護師での受験を考えているひとは必見ですよ!
※この看護師の受験者様は2018年度4次隊として合格されたそうです!おめでとうございます!
「希望していない派遣先でも大丈夫か?」
これはけっこうあるあるな気がします……。
「まったく希望していなかった国だった。」
という話を隊員仲間から聞いたことがありますし、受かりたいのなら、この質問にはなるべく「イエス」と答えておくべきなのかもしれません。
「NICUで働いていた頃に使用していた機器名を教えてください」
これは専門性を問われる質問内容ですね。
知っているものを答えられればOKでしょう。
「5sとは?5s活動の経験は?」
5sとは、整理・整頓・清潔・清掃・しつけ、の頭文字を撮ったものですが、病院などの医療現場では当たり前のように使われる言葉です。実際、開発途上国の多くではこのことができていない場合が多いんですね。
事前に確認しておきましょう!
「5s活動の経験がないのに現地で活動できるのか?」
こういうイヤラシイ質問を投げかけてくるのが、JICAの面接試験なんですよね……。がんばって臨機応変に答えていただきたいものです。
「臨床実習指導経験はあるか?」
現地では、職員へ指導する場面がけっこう多いのです。日本国内で後輩への指導経験はあったほうがいいでしょう。
「感染リンクとしての活動経験を教えてください。」
うーーん、これに関してはわたしもどう答えればいいのかよくわかりません……。
「ボランティア経験を通して学んだことを教えてください。」
この質問内容を寄稿してくださったかたは日本国外でのボランティア経験をお持ちでしたので、その内容と感想について質問されたようです。なにかしらの得られたこと・反省点をまとめておくと良いかもしれませんね。
「海外ボランティア活動をするとき気をつけたり意識していることは?」
日本と違った環境で活動するときにはいつも困難が伴います。これについても事前に考えをまとめておくと良いかもしれません。
以上が看護師で2018年度の面接を受けられたかたの寄稿内容でした!
「合格」と「補欠合格」
二次試験の人物面接と技術面接を終えたあとは、通知を待ちます。事前に記載した住所へ郵送もしてくれますし、オンラインで確認することもできるようですよ。
合格とは?
送られてくる通知に合格と記載されていれば、晴れて”候補生”となることができます。候補生とは福島県二本松・長野県駒ヶ根で行われる訓練に参加できる資格を得られるということです。協力隊員として任国に派遣されるためにはこの派遣前訓練を終了する必要があります。実際この派遣前訓練中に派遣打ち切りとなってしまう例も多いようですから、まだ油断はできませんよ。
補欠合格とは?
補欠合格となるケースは、合格者としてのラインには到達しているものの、要請内容に合致しない・もしくは健康に問題ありといった場合があります。実際わたしも1回目の受験では補欠合格でした。現在の合格者が派遣を自体したときに繰り上げ合格となる、いわゆる順番待ちの状態ですね。焦らされている感じがなんとも言えない。
わたしの訓練同期生の中にも補欠合格から繰り上げで合格したという人もいましたから、補欠合格になっても諦めることはありません。健康管理に注意しながら待機・もしくは次の受験に備えましょう。
二次試験に合格していたらどうなるの?
健康状態や能力が派遣に適していると判断されると、二次試験の面接を受けた約1ヶ月後に「合格通知」が届きます。(赤い紙に書かれているので赤紙と呼んでいる)
その合格通知には派遣前訓練の場所と期間、そして任国が記載されています。派遣前訓練の場所は訓練言語や任地によって分けられており、わたしの任国であるウズベキスタンは長野県駒ヶ根での訓練でした。
同封の書類にその後の動きを詳細に書いたスケジュール表が同封されているので、地震で確認してみてください。すごくワクワクしてきますね!
今日からできるJICA、2次試験面接対策!
上述したように協力隊の面接試験で聞かれる内容は多種多様です。事前に対策するのが非常に困難な試験のひとつだと思います。職種によっては、
「自尊心を砕くような質問をされた……」
「嫌がらせとしか思えない……」
なんて声もチラホラ聞きます。
さらに、JICA短期ボランティアを経験しているひとに対して「それくらいの短い滞在で途上国のことわかった気になってるの?」というイジワルな受け答えをされたひともいると聞きました。
短期ボランティアだとしても立派なものだと思うのですが……。
だからといってなにも準備しないのでは受かるものも受からなくなってしまいます。そこでわたしがオススメするのは
「マインドマップ」
です。
自分がこれまでどのような経験をしてきたのか・なにができるのか・ボランティアに参加することでなにをしたいのか、などを明確にする最適な方法だと思います。
「マインドマップ思考術」はモノゴトを並列に捉えるのではなく、蜘蛛の巣状に思考を拡げていく手段です。
面接試験は難関といわれていますが、しかるべき対策をしていけば恐れることはありません。自分なりに自信をもてる方法で試験対策をしていきましょう!
今日のまとめ:受かるかどうかは適合性しだい!
以上が「全部で4回分!面接試験で聞かれた質問とわたしの回答をまとめる。」でした!
なかには通常の入社試験などでは絶対に聞かれないようなものもあるだろうが、それが協力隊の人物・技術面接です。面接官は受験者の受け答えの仕方や表情の変化から、現地での様々なストレスに適応できるのか精神分析のようなものをしているらしい。
無事合格をもらえたということは、精神的問題を抱えていないと解釈してもいいのでしょうか……。
以上、青年海外協力隊の面接で聞かれた質問内容をまとめると、
■口頭試問
受験番号と名前を教えてください。
応募動機はなんですか?
自己アピールをしてください。
旅行を含め海外へ行ったことはありますか?その時どう感じましたか?
海外へ行くにあたり今はどんな準備をしていますか?
語学の点数があまりよくありませんがなにか理由はありますか?
■技術面接
これまで業務のなかでどんな患者に理学療法を施術しましたか?
糖尿病患者が来たときにあなたならどんな運動療法をしますか?
関節ファシリテーションとはどんなものですか?
でした。
果たしていま同じ質問をされたとして的確な回答をできる自信がありません。協力隊員になれるかどうかは、半分くらい運の力が関与しているんじゃないかなって思っています。だってこれらの質問に対する適切な答えって、人それぞれですからね。
面接で重要になるのは任国とのマッチング・そして健康状態が全てと言われています。面接に対する受け答えなんてもしかしたら関係ないのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました!
これであなたも協力隊員。
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