こんにちは、YUJI( @sugisshu )です。
そろそろ年の瀬が近づいてきましたね。
突然ですが、みなさんの2017年のベストヒット本はなんでしたか?
2017年のベストヒットは
「革命のファンファーレ」か。
……。
「君たちはどう生きるか」か。
- 作者: 吉野源三郎,羽賀翔一
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2017/08/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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……。
どちらも面白かったのですが、それらを圧倒的に上回るほと魅力的な一冊が誕生しました。わたしのなかの2017年ベストヒットは、
”タタールスタンファンブック”
で間違いありません!
タタールスタンファンブック: ロシア最大のテュルク系ムスリム少数民族とその民族共和国 (連邦制マニアックス)
- 作者: 櫻間瑛,中村瑞希,菱山湧人
- 出版社/メーカー: パブリブ
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
今日は”タタールスタンファンブック”の魅力についてわたくしYUJIの観点からご紹介したいと思います!
Contents
はじめに
あなたは「ロシア」ときけばなにをイメージするでしょうか?
ビーツをふんだんに使ったボルシチは家庭料理として有名だし、モスクワの”赤の広場”を中心とした歴史的な建築物には何度行っても目を奪われます。ビールやウォッカなどのお酒は安くて種類も豊富ですし、また抜群のスタイルを誇る”ロシア美女”を目の肥やしにするひともいるかもしれませんね。
これらのものも十分に魅力的ですが、しかしわたしがもっともオススメしたいのはその地域による”風土そのもの”なんです。
首都である「モスクワ」
ロシア第2の都市と呼ばれる「サンクトペテルブルグ」
をはじめとし、その広い領土内には様々な魅力溢れるまちが点在しています。それぞれが季節ごとの表情を持つのです。
モスクワから夜行列車で1日かけて到着するカレリア共和国の「キジ島」には、中世に建設された木造協会があり、島全体が自然保護区に認定されるほど。一歩島内に立ち入ると、そこはもうおとぎ話の世界そのものです。
このようにたくさんの魅力的な都市を有するロシア連邦ですが、これまであまりフォーカスされてこなかった地域があります。
それがロシア第3の都市である首都カザンを中心とした”タタールスタン共和国”なんです。そしてこの記事内ではそのタタールスタン共和国をこよなく愛する3名の著者が作り上げた、至極の一冊”タタールスタンファンブック”について紹介していきます。
ファン待望の一冊”タタールスタンファンブック”が発売されました!
カザンのスタバマグカップで珈琲を飲みながら #タタールスタンファンブック を読んでいる。
著者たちのタタールスタンへの愛が溢れていて、読んでいて楽しくなる。
必ずもう一度行こう、このファンブックを携えて。 pic.twitter.com/6xLVTMDTqH
— すぎっしゅ@中央アジア伝道師 (@wish_yama) 2017年11月15日
タタールスタンファンブック: ロシア最大のテュルク系ムスリム少数民族とその民族共和国 (連邦制マニアックス)
- 作者: 櫻間瑛,中村瑞希,菱山湧人
- 出版社/メーカー: パブリブ
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: 単行本
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ついにファン待望の一冊”タタールスタンファンブック”が出版されました!
本書の著者は、
・タタール人をはじめとするロシア連邦沿ヴォルガ地方の諸民族を対象とした研究をしている櫻間瑛氏。
・第5回国際タタール語オリンピック優勝者であり筑波大学大学院修士課程在学中である中村瑞希氏( @tatamullina )。
・第2回国際タタール語オリンピック優勝者で現在はタタール語を中心としたチュルク諸語を研究している菱山湧人氏。
の3名。
御三方ともわたしと同世代です。
このプロフィールをみただけでも、タタールスタンやタタール語への溢れる愛情を抑えきれていないそうそうたる面々であります。それぞれの経験や専門性をもとに執筆がはじまり、はじめての打ち合わせから2年の歳月を経て、ついに出版に至ったようです。
ひとつ前置きをしておきますが、某「地球の歩き方〜ロシア」にはタタールスタンの情報として掲載されているのは首都カザンまでの行き方などたったの2ページ、しかも地図が駅周辺しか乗っていないのでガイドブックとしての役割はほぼないといっても過言ではありませんでした。(少なくともわたしには物足りなかった)
カザン市内にある世界遺産の”クレムリン”や”バウマン通り”の周辺を紹介しているだけで、スタバを含むデパートも紹介されていませんでしたし、この地方をみて周りたいひとにとってのガイドブックとしてはちょっと不十分かなと思います。
もちろんモスクワやサンクトペテルブルグなどの大都市を観光したり、ロシアをまんべんなくみて周りたいひとにとっては必携の一冊ですけどね。
- 作者: 地球の歩き方編集室
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/05/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
そんな不完全燃焼真っ只中である我々の要望に応えるかのようにこのファンブックが登場しました!
そもそも”タタールスタン”ってどこにあるの?
「そもそもタタールスタンってどこにあるの?」
そんな疑問を持つかたのために少しだけまとめてみます。
タタールスタン共和国はロシア連邦のなかにある自治共和国で、首都カザンを中心とした国家です。共和国とされていますが独立国家ではないため、ロシア連邦のVISAがあれば特段問題にはなりません。
またアクセスの方法として、領土内に国際空港をかまえているのですが、2017年11月現在残念ながら日本からの直行便はなく、最低でも1つ以上の空港を経由するしかないそうですね。
わたしがモスクワ留学中に首都カザンへ旅行したときには、モスクワの”カザン駅”から夜行列車で向かいました。およそ13時間くらいの長旅はなれていないと退屈ですが、繰り返すたびにクセになっていきますよ!
この本が歴史的な一冊である3つの理由
わたしはこの”タタールスタンファンブック”が他の追随を許さない歴史的な一冊になることを確信しております!
なぜそう感じるのか、理由を3つまとめてみたいと思います。
①圧倒的な情報量!
まず手に取った瞬間なんとも形容しがたい重厚感があり、全223ページの隅から隅までタタールスタンの情報が書かれています。現地タタールスタンの写真はもちろん、政治・文化・歴史にいたるまでその解説が書かれています。
「この一冊でタタールスタンの全てを知れるのではないか?」
と錯覚してしまうほどの情報量です。
この地方への旅行を予定しているひとは必携の一冊となっています。
②美しい写真の数々!
本書にはタタールスタンにちなむ数多くの写真が使われております。
歴史的な建築物をはじめとして現地のひとびとや食事、政治的な一面まで「これでもか!」というほど、出し惜しみなく掲載してくれています。そのどれもがとても美しくて、旅行したときの記憶を呼び出しながら感傷にふけることができます。
特に、戦後すぐに来日したタタール人の写真も多数掲載されており、いったいこれらの写真はどうやって用意したの?と驚きました。写真をみているだけでも現地の様子を味わうことができるし、渡航意欲を掻き立てられます。
タタール地方の伝統的菓子である”チャクチャク(シェクシェク)”や中央アジアで”サモサ”と呼ばれていた料理も紹介されており、地方による形状の違いや名称の差異なども楽しむことができました。
これだけふんだんにタタールスタンの写真を使っている書籍は、他にないでしょうね……。それほどの掲載量です。
③全編フルカラーという豪華さ!
そしてもっとも驚いたのが「全編フルカラー」であるということでした。
この手のガイドブック・旅行本は、経費の都合上、後半から終盤にかけて白黒印刷になるものがほとんどです。あの有名な”地球の歩き方”でさえも終盤は二色刷りになっています。カラーで印刷するということはそれだけ収益が期待されているということの証明だと思いますし、
”想像しうる最もマイナーなファンブックである本書”
(失礼しました)
に、これだけの期待が込められていることにいたく感動しました!
すでにAmazonの「ロシアの地理・地域研究」部門では一位を独走しているようです!
本書の購入をきっかけにタタールスタンへの渡航者が増えること間違いありません!
簡単な本書の内容紹介
本書の内容を簡単に紹介します。
●モスクと教会が並び立つ世界遺産カザン・クレムリン
●カザン建都1000周年に完成したクル=シャリフ・モスク
●レーニンも通ったモスクワ大学に次いで古いカザン連邦大学
●保護が叫ばれるロシア最大の少数言語、タタール語
●アストラハン・シベリア・クリャシェン等タタール諸グループ
●タタールスタン内にいるバシキール・マリ等の諸民族
●一万人もの日本軍将校が抑留されたエラブガ
●イスラムと社会主義を融合させ粛清されたスルタンガリエフ
●マラト・サフィンやアルスー等ロシア人と思われている有名タタール人
●中央アジア・新疆・フィンランド・北米・日本のタタール・ディアスポラ
(Amazon内容紹介より引用)
前述したようにタタールスタンの建築物の写真はもちろん、民族的な部分や国内政治、イスラム教とのかかわりも詳細に書かれています。
この一冊を通読すれば、日本国内における「タタースルタンの情報通最先端」を行くことができるのではないでしょうか?
それほどの情報量と著者たちの愛を感じることができます。
今日のまとめ:タタールスタンファンブックを読んでみて!
以上が”2017年の衝撃作!著者の愛が溢れ出る”ファンブック”が完成したのでレビューします。”でした!
実は、このレビューを書くのはかなり気が引けました。
というのも著者たちが持つタタールスタンへの情熱を的確に表現することはきっとできないだろうし、もし本人たちの目指すところと違う内容を書いてしまっては本末転倒だと考えたからです。
しかしわたしも本書”タタールスタンファンブック”を読んで感動したひとのひとりですから「第三者の感想」を形に残しておくことは、今後に必ず繋がってくるはずと感じたからです。そして、またいつかこの国を訪れたい気持ちが強くなってきました。
この記事で書いたのは本書のほんの一部にすぎません。
本書の魅力は実際に手にしてないとわからないと思います。
ぜひともこの本を読んでタタールスタンのファンが増えることを切望しております!
▼実際に手にしてみるとその魅力を知ることができますよ!
タタールスタンファンブック: ロシア最大のテュルク系ムスリム少数民族とその民族共和国 (連邦制マニアックス)
- 作者: 櫻間瑛,中村瑞希,菱山湧人
- 出版社/メーカー: パブリブ
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: 単行本
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最後までお読み頂きありがとうございました!
これであなたもタタール人。
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