こんにちはすぎっしゅ( @sugisshu )です。
わたしは通信制大学院生として、仕事をしながら修士論文を執筆しました。終盤の1年間は訪問看護の仕事を退職して執筆に集中することができたのですが、振り返ってみると、修士課程における修了要件を把握していればもう少し短時間で修了できたかもしれないと思いました。
その要件のひとつが今回まとめた「論文執筆のノウハウを習得する」ということです。
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はじめに: 求められるレベル感を理解する
論文にはたくさんの種類があります。
学部生であれば卒業論文は書くでしょうし、博士論文は修士課程(博士課程前期)を終えたひとがさらに時間をかけて執筆します。また学術誌などに掲載されている学術論文、査読論文などは、研究実績として評価されるものだと思います。
今回は特に修士論文に焦点を絞っていきますね。
前提条件: 学部卒業〜修士1年次向け
この記事が役立つのは、修士課程に入学しようとしている学部生、あるいは修士課程の1年次くらいだと思います。学部の卒業論文を書く段階でもこの点を意識していると、のちのち役立つかもしれませんね。他方、博士課程に在籍している、あるいは学術論文を書いたことのあるひとには、少々退屈かもしれません。
なので学部卒業年度〜修士1年次くらいの研究者に向けています。
修士課程で習得すべきことはおおまかにいって、次の5つの点に重きを置いていると感じました。
引用・参考とする文献の探し方
まずは引用・参考とする文献の探し方です。
文系、理系などの領域の範囲は前提としてありますが、文系の修士論文であれば、200本は関連論文を読んでいる必要があります。それはひとつの論点を形成するのに少なくとも20〜30本の論文を読み、さらにいくつかの論点を総括して筋道を立てる必要があるからです。
なのでなるべく効率良く”参考とする論文”や”引用できる文章”を見つけ出すことが重要です。
説得力のある論述の仕方
次に、説得力のある論述の仕方を身につけることです。
説得力のある論述とは、対象としているものを論じる際に、裏付けや根拠(エビデンス)を適切に提示できることです。
例えば、ある地方都市の人口の増減を証明するためには、少なくとも行政データによるグラフの提示などが必要です。更に、離職率・出生率・世帯数など、地域社会の課題を明らかにするためにも根拠(エビデンス)の提示が重要になってきます。
あまり詳しくないのですが理系の研究だと、実験や観察などからデータを収集し、それをエビデンスとしたうえで分析するのだと思います。
研究分野を分野問わず、説得力のある論述の仕方を習得することが重要です。
文章構成の組み立て方
次に、文章構成の組み立て方を意識することです。
語弊があるかもしれませんが「良い論文」とは、前提知識に乏しいひとが読んでも理解できる文章構成になっているものです。
特筆されている用語があれば、その説明が文中に記載されており、論文を通しで読むことができる状態にあるものです。逆に、用語や前提条件の解説がないものは、論文としては不十分といえます。
これらを踏まえたうえで、適切な文章構成となっているかが重要です。
分析枠組みの考え方
次に分析枠組みの考え方を理解することです。
研究論文とは、世の中に無数に存在する課題を、学術的な見解をもって分析・考察することです。そのためには”分析枠組み”の考えを取り入れる必要があります。
前の章でも例として挙げたような地域社会で考えると、産業構造なのか、学校教育なのか、はたまた人口の増減なのか、筆者がどんな事象に問題意識を持っているかによって分析の仕方は変わってくると思います。
そしてこの分析枠組みの考え方を習得することこそが、修士課程の最重要課題かもしれません。
論文の体裁の整え方
最後が論文の体裁の整え方についてです。
昨今、あらゆるインターネット媒体で発信ができるようになり、体裁が軽視されている風潮もあります、しかし論文を書く上では、体裁を整えることがかなり重要といえます。
わかりやすい例を挙げると”話し言葉”なのか”書き言葉”なのか、というのも意識すべき点です。
文章が長くなってくると、なにが主語でどこが動詞なのかが分かりにくくなります。
また文章同士の関連性なども注意する必要があります。
このような体裁の整え方について理解することも重要です。
まとめ: 要点を押さえてスタートダッシュを切ろう
以上が「修士課程での執筆作業の間に習得すべきスキル」でした。
これらのノウハウを習得するのが修士課程であり、要点を押さえていればスタートダッシュを切ることができると思います。
最後にもういちどまとめておきますね。
引用・参考とする論文の探し方
説得力のある論述の仕方
文章構成の組み立て方
分析枠組みの考え方
論文の体裁の整え方
最後までお読みいただきありがとうございました。
これであなたも研究者。
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