【青年海外協力隊】2日間にわたる帰国オリエンテーションは、まるで就活セミナーでした。

協力隊のあれこれ

こんにちは、YUJI( @sugisshu )です。

2017年3月に、2年間の任期を終えてウズベキスタンから日本へ帰国しました。今回の記事ではすべての隊員が受ける青年海外協力隊の帰国オリエンテーションの会場やスケジュールについて書いてみました。これから帰国される各国隊員のみなさんの参考になれば幸いです。

終盤ではかれこれ2年ぶり(正確には1年3ヶ月)に帰った日本を、どのように捉えたのかをコラムとして書き記してあります。

はじめに

わたしは2017年3月に青年海外協力隊員としての任期を終えて帰国しました。2年間の厳しい現地生活を終えてようやく祖国である日本へ帰ってこれた……と安堵の間もなく次は”帰国後オリエンテーション”を受けることになります。

帰国の日程は各国で違いますから、同期隊員全員が一同に会する!というわけにはいきませんが、同日程で帰国した同期隊員数名と会うことができました。

今日の記事では2日間にわたる帰国後オリエンテーションに参加してみた感想と、その詳細をお伝えしたいと思います。

帰国オリエンテーションでの宿泊先はどうするの?

はじめに気になる帰国オリエンテーションでの宿泊先ですが、実家や住まいが都内にあるひとはそこから通います。住まいが遠方のひとはどこに宿泊しても良いのですが、オリエンテーション会場近くのホテルを予約しようとすると結構お高いんですよ。

帰国直前にJICA事務所から渡される”帰国時ハンドブック”に、割引のきく宿泊施設が記載されているので、もし予算に限りのある人はそこを利用しましょう。まぁそれでも1泊2日で7,000円〜と、途上地域で生活していた身からすると目が飛び出るような料金なのですが……ここで先進国の洗礼を受けることになります。

わたしは料金など諸々の理由から川崎の宿泊先を予約したのですが、帰国時オリエンテーションを受けるJICA市ヶ谷まで片道2時間以上かかるので、地理感のないひとはオススメしません。都内の宿泊先を探すことをオススメします。川崎からだと人混みを避けられないので途上国帰りの我々は酔います、絶対。

ある友人はオリエンテーションでの宿泊料金が高いことから、都内の漫画喫茶に宿泊していたそうな……気合い入っているなぁ。

もし同期隊員がいるなら同じホテルを予約してもいいかもしれませんね。

ちなみに宿泊費は上限付きで後日指定口座に入金してくれます。たしか1泊の上限が8,000円だったかな……詳しくは帰国時ハンドブックをご残照くださいませ。なお、以下に帰国時に支給される金額をまとめておきます。

■帰国時に支給される金額

帰国オリエンテーション時の宿泊費(帰国日〜土曜日までの日数×8,000円)

都内から住民票のある県までの交通費(半券後日送付)

なお指定された日数を超える宿泊料金に関しては支給がないのでご注意ください。

東京滞在1日目

感謝状授与式

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(市ヶ谷、地球ひろば)

JR市ヶ谷駅を出て急な坂を登った先にある“JICA市ヶ谷”。ここで我々は帰国後オリエンテーションを受けることになります。同日に帰国した同期隊員たちと会場へと足を運びます。

会場はここです。

JICA市ヶ谷へ入ると、30~40人程度の帰国隊員がセミナールームに集められますが、駒ヶ根訓練所の同期隊員は割りと少なく、二本松の隊員が7割くらいでした。帰国日がみなばらばらなので、同じ日に研修をうけるのは難しいようです。

また、翌日の健康診断にむけて検尿・検便キットを受け取ります。

このケースに例のブツをいれる必要があります。翌日の健康診断で使うので忘れずに!

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(検尿、検便キット)

この日に行われたのはまず”感謝状の授与式”でした。

外務大臣より2年間の任期を終えた隊員へ感謝状が贈られます。

事前に20分くらい動き方の説明を受けて、だらだらと授与式が始まります。

このときに現地の民族衣装を着る隊員もいれば普段着のような服装で行く人もいて、派遣国の個性がでるなー、と思いました。わたしはもちろんダンス用の衣装を身にまといました。

たぶん一番派手だった!(「ウズベク 衣装」で検索)

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(感謝状)

順番に整列して派遣国ごとに賞状を受け取ります。任地帰りの協力隊OB/OGたちですからなんとなく足取りもおぼつきません。全体的にそわそわした空気が流れ、1時間ほどで授与式を終了します。

帰国後オリエンテーション

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(帰国後研修)

そのまま続けて導入講座などの帰国後研修を受けることとなります。帰国後セミナーの感想は、

途上国の2年間で得たものをどう社会に還元していくか。

日本社会に復帰するためにはどうすればいいか。

上記のような内容でした。まぁぶっちゃけこのセミナー内容を聞いて、

俺、すぐに社会還元するわ……!

なんてひとはほとんどいないわけです。現職参加の隊員をのぞいてほとんど全員が頭の中に「?」を浮かべていたはず。

もちろんしゃべりや内容自体は面白いので十分に参考になると思います。各種募集説明会などで協力隊経験をしゃべるつもりのある人よく聞いておきましょう。

JICAボランティア経験者の日本での再就職率が低いことをJICA本部は懸念しており、その対策であることが見え隠れしますね。

まるである種の就職セミナーのように感じてしまいました.…..

東京滞在2日目

健康診断

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(新宿三井ビル)

新宿に来るのは何年ぶりだろう.…..そこにあるすべてが高層ビルで目がくらみます。

場所はここです。

ここ新宿三井ビルでひと通りの健康診断を受けるのですが、小一時間ですべてが終了するという迅速さ。

日本ってすげー。

※くれぐれも例のブツを忘れないようにしてくださいね!

帰国後面談

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(帰国後面談の面談室)

健康診断を受ける新宿三井ビルから場所を変え、お昼頃までに会場へ向かいます。そこではJICA技術顧問2名との面談がありました。

持ち時間20分なのにヒートアップしすぎて3分オーバー。

次々と面談のひとが続くのでなるべく”20分以内”に終わらせましょうね。

結構、ここで紹介した内容を今後の協力隊活動に生かしてくれたり、作成したものを”成果物”として登録してくれるみたいですよ。

それにしても専門のことについて話せるのって楽しいなぁ。ウズベキスタンで作成した資料を提出したり、専門家たちへ簡単なプレゼンを行いました。

これにて2日間の帰国オリエンテーションは終了です。

(コラム)2年振りの日本はどのように見えたか。

ここでいちど、2年振りの日本はどのように見えたかをまとめておきたいと思います。あくまでわたしの意見なのでご参考までに……。

第一印象は寒い!でしたねぇ。

ウズベキスタンも四季があるので季節は同じく冬だったのですが、なんか日本って寒い。それはもちろん季節的なものもあるんですけど、それ以上に”無機質”なんですよね。いろんなところがビジネスライクだしほとんどのものが機械化されてしまっている、その事実に寂しさというか、心寒さを感じていたのだと思います。

開発途上国って、物資や技術が整っていないぶん、助け合うんですよね。

わたしはどこにいても「なにか困ったことがあれば現地のひとに助けてもらおう!」って考えていましたから。むしろウズベク人たちはそんなわたしたち日本人を快く手助けしてくれるんです。はじめは文化に馴染めなくて辛かったけど、だんだんと自分のことを知る人が増えてきて、ウズベキスタンってあったかい国だよなぁ、って思っていたんです。

日本に帰ってきて、例えば、

コンビニのレジで世間話をすることもないし、

お釣りの代わりに飴玉をもらうこともないし、

一瞬で会計終わってしまう。

業務の効率化が進みすぎて「あっさりしてる」んです。ひと手間かける面白さがないんですよね。

まずこれが第一印象でした。

そして次がシャワーの水圧強ない?ってことです。

ウズベキスタンに限らずあらゆる途上地域では生活インフラが整わず、1日〜時間の断水なんてのが日常茶飯事なんですよね。この前話を聞いたアフリカ隊員は、毎日水を汲みに川へ行っていたそうです。水って資源だから大切なんですよ。限りがあるんです。だから水を無駄遣いしないように節水する習慣が付いています。

それがですね、帰国後に宿泊したホテルのシャワーの、水圧強すぎてびっくり。

むしろあったかいお湯が一瞬で出てきてびっくり。

これが良いか悪いかはあなたの判断に委ねたいと思いますが、少なくともわたしはこう思いました。

水の無駄使いじゃね!?

こんなに水圧強くしなくても大丈夫だよ……そう感じるひとも多いと思います。

そしてきわめつけはあれです、

ウォッシュレット……!

後世に残したいもの第1位とも呼べる大発明……。

日本のおもてなしを具現化したかのようなあのいたわり……。

お腹弱い隊員として名を馳せたわたしですから、2年振りのウォッシュレット機能にはいたく感動しました。あらゆるものがムダである、過剰サービスである、と批判的な目で見ていたわたしですが、ウォッシュレット機能だけには感動いたしました。

ざっと日本の印象はこんなところでしょうか?

いちどまとめておきますね。

■2年振りの日本はどのように見えたか。

効率化を求めすぎて人的サービスがつまらない。

シャワーの水圧が強すぎる。

ウォッシュレット機能に感動。

今日のまとめ

以上が”2日間にわたる帰国オリエンテーションは、まるで就活セミナーでした。”でした!

2日間の帰国後オリエンテーションに参加してみた率直な感想は、

「ただの就職支援セミナーやで!」

ということでした。

それもある意味仕方なくて、協力隊経験者はその後日本社会になじみにくく、職種によっては協力隊経験は一切優遇されないとのことです。

帰国後の就職率が低いことはJICA本部の悩みの種でもあるようなので、日本社会への復帰、つまり”リハビリテーション”を促進しているのでしょうね。かくいうわたしも直ぐに働く気などさらさらありませんが……。

最後までお読みいただきありがとうございました!

これであなたも協力隊員。

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