こんにちはすぎっしゅです( @sugisshu )。
得られた情報をそのまま鵜呑みにしていませんか?
現代のような超情報社会では、インターネット・SNS・テレビなどから得られる情報を、どのように自身の中に消化していくかが大切になります。またその情報源も一次情報であるか、二次情報であるかなどの違いもあります。あらゆる情報を浴びるなかでも、できるだけ「良質な情報」を得たいですよね。
そのために必要なのが「批判的思考(Critical Thinking)」です。
情報社会の弊害
インターネットやSNSが普及し、あらゆる情報が得やすくなりました。以前は対面での人とひととのコミュニケーション間でしか得られなかった情報を、簡単に得られるようになってきました。
しかし一方で、その情報が正しいソースであるか?事実に基づくものであるか?などの判断が難しくなっています。
マスコミ業界などでは事実とは異なることを報道をすることを「フェイクニュース(Fake News)」と呼び、ある種の社会問題と捉えられているようです。
批判的思考で情報を読み解く
ではどのように情報を読み解いていけばいいのか?
そのひとつの答えが「批判的思考」になります。
批判的というとイヤなイメージを持つひともいるかもしれませんが、批判と否定は似て非なるものです。
否定(dinial; nagation)とはデジタル大辞泉によると「そうではないと打ち消すこと。また非として認めないこと。」とされています。
批判(criticism)は「物事に検討を加えて、判定・評価するとこ。認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。」とされています。
言い換えると”批判”とはなにかを明らかにすることであり、”批判的思考”とは、批判を軸にした思考パターンであるといえます。
批判的思考をしなかった場合
批判的思考を行わなかった場合と、行った場合の比較をしてみましょう。
例えば「アフリカは、発展途上地域である。」という情報を、新聞やインターネットなどで見聞きしたとしましょう。多くの日本人は訪れたことのない地域でしょうし、メディアでそのように報道されているのであれば、アフリカは経済的に豊かではなく、渡航するのには危険が伴うかもしれない。なので旅行はしないでおこう、となると思います。
対して批判的思考をすると「アフリカといえど、たくさんの国があり、治安状況などは一概にはいえない。」と判断し、国による経済格差や治安状況などを調査するでしょう。調査結果として、地域によって経済状況は異なり、南アフリカ地域に関してはむしろ近代化が進んでいる、とわかるはずです。この場合はアフリカ地域でも治安のいい国、時期などを検討したうえであれば渡航可能とわかるでしょう。
これは一例ですが、批判的思考を行わないと、間違った理解をしてしまう可能性があります。
批判的思考の重要性: 上野氏の記述をもとに
さて、論文執筆のことを考えたときには、この批判的思考が重要になってきます。
基本的には査読論文であれば第三者の校閲があるので、わかりやすいフェイクの情報が記載されることはないと思います。(この場合は、そもそも学術的姿勢が疑われますが)
疑うということではなく、その内容や論点が、自らの研究内容に近いものなのか?という視点でみる必要があります。この手順は批判的思考といえるでしょう。
社会学者であり東大名誉教授である上野千鶴子氏は、以下のように述べています。
「批判的」とは、そこにあるものではなく、そこにないものを見抜く力を言います。ただのないものねだりではありません。そこにないものを見いだすには、空白の上に足を置いて新しい視覚を創造するような構想力が要ります。
上野千鶴子(2018)「情報生産者になる」, 筑摩書房, p64
批判的思考をするためには、そこに見えない課題や疑問を創造する力が必要といえます。
まとめ: 批判的にみる練習をしよう
この批判的思考は、一朝一夕で習得できるものではありません。常に、いまある情報が正しいかどうか見極め、そこに課題や改善点を見出す練習が必要です。
そしてこれらの思考を身につけることで論文執筆の作業が捗るでしょう。
まずは日々のニュースやインターネット上の情報を使って、批判的にみる練習をしていきましょう。
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